岡山 倉敷で住宅・建築の設計をしている-建築家の設計事務所ー宇川建築計画事務所です。
日本の暮らしの知恵や風景を演出した古民家が滅びゆくことは残念です。
こうした古民家の耐震性や断熱性を現代のニーズに合わせてリファインし、現代の暮らしにマッチしたリフォーム再生することは大切です。
貴重な日本の原風景になる「住宅の文化」を継承するため 古民家の再生 を目指しています。
矢掛町ビジターセンターー商家の改修
宿場町矢掛は重要伝統的建造物群保存地区に選定され、江戸時代の面影を感じられるようになっています。
矢掛町ビジターセンター問屋は、旧山陽道矢掛宿のメイン通りに建つ古民家を再生した観光案内施設です。
外観はそのままで耐震調査を行い、耐震補強工事と合わせて改修しました。
設計仲間とともに調査、計画、設計をしました。
この建物の状態を調査して、岡山県木造住宅耐震マニュアルで診断すると 評点0.04 で非常に低い数字になりました。この数字では、大きな地震では「倒壊する可能性が高い」と判定されました。
耐震補強をすると 評点1.08 になり 「一応倒壊しない」 レベルになりました。
建物内部に新しい柱を設置し、地震に抵抗する耐力壁を設けました。
また、構造計算にて梁桁材を補強し、接合部に金物を取り付けました。
古民家を改修するときは、かならず岡山県木造住宅耐震マニュアルで耐震診断と補強計画をして、耐震設計をして工事をしましょう。
耐震診断・補強計画とあわせて、建築基準法での構造診断も行いました。
構造ソフトにて大地震が起きた時の被害状態をシュミレーションします。
一般的に古民家とは建築後50年経過した建物とされ、 一般社団法人全国古民家再生協会での「古民家」の定義は、昭和25年の建築基準法の制定時に既に建てられていた「伝統的建造物の住宅」すなわち伝統構法とする。
古民家とは、日本の住居のうち、建築年数がかなり経過した民家であり、国が制定する文化財登録制度においては、「50年以上」というのが対象条件になっている。
古民家は、
・伝統的な建築工法である木造軸組工法で建てられている
・茅葺屋根、草葺き屋根、日本瓦葺き屋根、土間、太い柱と梁を持つ
・築年数が50年以上経っている
おおむね、これらにあてはまるものを古民家という。また、古民家には、農村民家・町民民家・武家民家・庄屋屋敷などさまざまな形態があり、日本的な深い趣をもつ。そして、文化財としても価値のある古民家は次の時代に引き継がれなければならない。近年リノベーションによって住宅として、商業施設、街の交流施設などに再利用されるケースも増えてきました。
岡山市足守 木下家屋敷表門
岡山市陣屋町足守は江戸時代からの面影を今に伝えます。
足守小学校に残る木下家屋敷表門は、江戸時代から明治、昭和と度々移転をしながら現在に至り、岡山市文化財に指定されています。門は老朽化が進み大きな地震の際は倒壊の危険があるため、補強と保全が求められています。そこで耐震調査を行い耐震補強工事と合わせて改修しました。建物内部に耐震性のある架構を組んでます。
設計仲間と 建物調査・補強計画・改修設計しました。
この建物の状態を調査して、岡山県木造住宅耐震マニュアルで診断すると 評点0.07 で非常に低い数字になりました。この数字では、大きな地震では「倒壊する可能性が高い」と判定されました。
古民家の多くの耐震診断では 評点0.1 以下になり、大きな地震が来ると非常に危険な状態です。
令和6年1月1日の能登地震でも、多くの古民家が倒壊しました。
耐震補強をすると 評点1.41 になり 「一応倒壊しない」 レベルになりました。
建物内部に新しい柱を設置し、地震に抵抗する耐力壁を設けました。
また、構造計算にて梁桁材を補強し、接合部に金物を取り付けました。
矢掛町西町イベント広場に建つ町家の再現
国の重要伝統的保存地区に指定された街道沿いに建つ建物。
修景基準に沿い、矢掛の街道沿いにふさわしい建築モデルパターンとして建てられました。
建物はイベント広場の管理事務室、防災倉庫、公衆トイレとして使われます。
設計仲間と設計しました。
住宅を古民家スタイルにリフォーム
約20年前に1階はリフォームしました。その時建築基準法に準じて1階は耐震補強工事をしましたが,2階は耐震補強してなかったので、改めて耐震診断をして地震に備えて耐震補強を計画しました。
古材を使って古民家をつくる
岡山市足守まちなみ館ー岡山市優秀建築物賞すまいポイント賞受賞
以前、ここには江戸時代の商家が建っていました。その後は、町の郵便局や駐在所に使用されていましたが、足守まちなみ調査を開始した、昭和62年には廃墟のような空家の状態でした。
岡山市はこうした状況により、新築により地域の町づくりに貢献できる施設として計画を進めることにしました。設計に先立ち、旧商家の建物の実測を実施し、外観や詳細ディテールはは極力復元をしています。このときの実測資料や設計図面がその後の足守の建物建設に役立っています。
おかやま備前焼工房ー岡山市まちづくり賞受賞
街並みを形成している旧商家を改修し、「備前焼」を気軽に楽しめるギャラリーと土ひねりの工房として計画されました。、後楽園を訪れる観光客の市街地への流動や回遊性を高めるため、経路のポイント的建築であるとともに、出石地域のまちづくりの活性化をめざして整備されました。
<建築創造の継続性―再生>
旧商家の記憶の保存、過去と現在の混在、建築創造の継続性をめざし、ギャラリーは伝統的和風とモダンデザインの融合をはかっています。設計前に実測調査を行い、旧店舗の石框や大梁、ケヤキの大黒柱など生かした内部空間として設計しています。ギャラリー内にはスロープを設け、施設内で車イスの利用を可能にすると共に、備前焼を見ながら回遊するアプローチとして、手狭なギャラリーの中に車いす用スロープを設けています。床には備前の土で制作した特注タイルを使用しています。人の手の温かみの伝わるタイルを味わってみてください。道路面開口部は閉館後は透かしの木製格子を建て込み、この格子を通して、ほのかな明かりが町並みを照らすように配慮しています。
<活性化>
長期にわたり人々の記憶から消えていた商家は、工事が進むにつれて生気を回復し、建築がよみがえり、「おかやま備前焼工房」として再生されました。
最近 モダンなカフェにリファインされました。
私たちは将来に向けて、出石町の再生への起爆剤となり地域の活性化につながることを期待しています。